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上智大学 総合人間科学部 心理学科 公募制推薦入試 2018年 過去問解説

問1-1【解説】

設問の理解:

 まず、設問の要求を正確に把握します。問一は「傍線部①『ネガティブ・ケイパビリティ』とは何か。他の部分から抜き出して答えなさい(四○字以内)」とあります。ここでのポイントは以下の3点です。

  • 「ネガティブ・ケイパビリティ」の定義を答える。
  • 本文中の言葉をそのまま抜き出して答える。
  • 文字数を40字以内に収める。

本文の探索:

 次に、本文中で「ネガティブ・ケイパビリティ」を直接的、あるいは間接的に説明している箇所を探します。本文を読み進めると、3ページ目に創造性の源となる認知形式の一つとして、性格特徴が挙げられている箇所が見つかります。

該当箇所の特定:

 本文3ページに、以下の記述があります。
このうち④の性格特徴として指摘されているのが、いみじくも「曖昧な状況に耐え」、「切れ切れのものが均衡をとり一体となるのを待ち受ける能力」です。
  どうでしょうか。二百年前にキーツが発見したネガティブ・ケイパビリティを彷彿させませんか。

  この記述から、太字部分が「ネガティブ・ケイパビリティ」を説明している箇所であると判断できます。筆者がこの能力を提示した直後に、「ネガティブ・ケイパビリティを彷彿させませんか」と読者に問いかけているため、この部分が筆者の考える定義に最も近いと言えます。

文字数の確認:

 抜き出すべき箇所を特定した後、文字数を確認します。
 「曖昧な状況に耐え、切れ切れのものが均衡をとり一体となるのを待ち受ける能力」
 この文章は句読点を含めて38文字です。これは設問の「40字以内」という条件を満たしています。

最終的な回答の作成:

 以上のプロセスを経て、特定した38文字の文章をそのまま解答欄に記述します。「抜き出して答えなさい」という指示に従い、自分の言葉を加えたり、要約したりしないことが重要です。

問1-1【解答】(37字)

曖昧な状況に耐え、切れ切れのものが均衡をとり一体となるのを待ち受ける能力。

問1-2【解説】

設問の理解

 まず、設問「傍線部②この調査をした研究者の意見に対し、筆者はどのように考えていると推測されるか。推論の根拠をあげて、わかりやすく説明しなさい。(一五〇字以内)」の要求を分解します。

  • 何について: 「研究者の意見」について。
  • 誰の考えを: 「筆者」の考えを。
  • 何をするか: 筆者の考えを「推測」し、「根拠」をあげて「説明」する。
  • 文字数: 150字以内。

「研究者の意見」の特定

 本文1ページにある傍線部②の前後の文を確認し、「研究者の意見」を正確に把握します。
 この調査をした研究者は、芸術活動そのものが、人生の孤独な深淵を覗かせるため、画家はその悲劇性に打ちのめされたのではないかと、推測しています。
 つまり、研究者の意見は「芸術活動そのものが、芸術家を精神的に打ちのめした」というものです。

「筆者の考え」と「根拠」の探索

 この研究者の意見に対して、筆者がどのように考えているかを示す箇所を本文全体から探します。
 研究者の意見が提示された直後、筆者は「創造行為が健康生活に直結して癒しをもたらすという考えは、あまりに表面的な見方であるようにも思われます」と述べており、創造行為が必ずしも癒しにならないという点では研究者と近い立場にいることがわかります。
 しかし、筆者は文章全体を通して「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念を鍵として論じています。
 決定的な根拠は、4ページにあります。筆者は、多くの芸術家が精神の不調をきたしたことについて、以下のように結論づけています。
 > これは、創造行為に伴うネガティブ・ケイパビリティの欠如だったとも解されるのです。
 > この一文が、筆者の考えを示す直接的な根拠となります。
 >

解答の構成

 上記で特定した要素を論理的に組み立て、150字以内の文章を作成します。

ステップ1:

 研究者の意見(芸術活動そのものが原因)を簡潔に要約する。

ステップ2:

 それに対し、筆者は原因を「ネガティブ・ケイパビリティの欠如」という別の視点から捉えている、と対比させて述べる。

ステップ3:

 その根拠として、4ページの「創造行為に伴うネガティブ・ケイパビリティの欠如だったとも解される」という筆者の記述を明確に示す。

問1-2【解答】(143字)

芸術活動が芸術家を打ちのめしたと研究者は推測する一方で、芸術家の精神不調の真の原因を「ネガティブ・ケイパビリティの欠如」にあると筆者が見ていたと推測できる。その根拠は、芸術家の不調を「創造行為に伴うネガティブ・ケイパビリティの欠如だったとも解される」と本文中で明確に述べている点にある。

問1-3【解説】

1. 設問の分解と要点整理

 この問題は、大きく分けて2つの問いから構成されています。これら2つの問いに答えつつ、全体を400字以内でまとめる必要があります。

  • (1) 筆者の考える「精神科医の仕事」は何か?
  • (2) その仕事の本質は何か(筆者の考え)+ あなたの意見は? 

問い(1)の分析:

 本文の後半(6〜7ページ)で、筆者は作家の仕事と精神科医の仕事を比較しています。ここから「精神科医の仕事」に関する記述を探します。

キーワード:

 「教科書や治療指針はあっても、大まかな道筋を示すだけ」、「自分なりに工夫し、患者と相談しつつ道を歩いていくしかない」、「二人で月の光の下、岸の見えない湖をボートに乗って漕ぎ進めていくようなもの」

要点:

 精神科医の仕事とは、マニュアル通りの治療法を適用するのではなく、先行きが不透明な中で、患者一人ひとりと向き合い、共に道を模索していくことだとわかります。

問い(2)の分析:

 次に、その仕事の「本質」と、それに対する自分の意見を考えます。

筆者の考える本質:

 筆者は「ネガティブ・ケイパビリティ」をキーワードに論を展開しています。7ページに決定的な記述があります。
何事も決められない、宙ぶらりんの状態に耐えている過程で、患者さんは自分の道を見つけ、登場人物もおのずと生きる道を見つけて、小説を完結させてくれるのです。

本質の要点:

 つまり、精神科医が本質的にしていることは、性急に診断や結論を下すのではなく、不確実で宙ぶらりんな状態に耐え(ネガティブ・ケイパビリティを実践し)、患者が自ら答えを見つけ出すのを待つことです。
 * 自分の意見: 筆者の考えを踏まえ、自身の意見を述べます。ここでは筆者の意見に賛成し、その考えを深める方向で意見を構築するのがスムーズです。例えば、「『待つ』ことは消極的な姿勢ではなく、患者の主体性と自己治癒力を信じる積極的な医療行為である」といった視点が考えられます。

2. PREP法での構成

 設問の要求に従い、上記の要素をPREP法(Point, Reason, Example)の順で組み立てます。

P (Point): 結論

 問い(1)と(2)の核心部分を統合し、筆者の考えの結論を最初に提示します。「精神科医の仕事とは、不確実な状況を患者と共に歩むことであり、その本質は、答えを性急に与えず、患者が自ら道を見つけるまで『待つ』ことにある」と要約します。

R (Reason): 理由

 なぜそのような結論になるのか、本文の記述を基に理由を説明します。「患者は千差万別で治療にマニュアルはなく、医師が宙ぶらりんの状態に耐える中でこそ、患者は自発的に道を見つけられると筆者は考えているから」と記述します。

E (Example/Elaboration): 具体例・意見

 筆者の比喩(岸の見えない湖をボートで進む)を具体例として引用し、それを自分の意見に繋げます。「筆者の言う『待つ』姿勢は、患者の主体性を尊重し、自己治癒力を引き出すための積極的な関わりであり、それこそが専門性だと考える」という形で、自分の意見を具体的に述べ、結論を補強します。

3. 文字数の調整

最後に、全体が400字以内になるように、各部分の表現を簡潔に整えます。

【結論】

 筆者の考える精神科医の仕事とは、マニュアルに頼らず患者と相談しながら共に道を歩むことであり、その本質は、性急な結論を出さずに不確実な「宙ぶらりんの状態」に耐え、患者が自ら答えを見つけ出すのを「待つ」ことにある。

【理由】

 なぜなら、患者は一人ひとり置かれた状況が異なり、治療には決まった指針が存在しないからだ。筆者は、医師が先を見通せない状況に耐える中でこそ、患者は自発的に自分の生きる道を見出すことができると考えている。

【具体例】

 筆者はこの仕事を、岸の見えない湖を二人で漕ぎ進むボートに喩えている。私もこの考えに深く同意する。

【結論の再提示】

 精神科医の「待つ」という姿勢は、単なる消極的な態度ではなく、患者の主体性を尊重し、内に秘めた自己治癒力を最大限に引き出すための、高度な専門性に基づいた積極的な医療行為であると考える。

問1-3【解答】(372字)

 筆者の考える精神科医の仕事とは、マニュアルに頼らず患者と相談しながら共に道を歩むことである。さらに、その本質とは、性急な結論を出さずに不確実な「宙ぶらりんの状態」に耐え、患者が自ら答えを見つけ出すのを「待つ」ことにあると考えられる。
 なぜなら、患者は一人ひとり置かれた状況が異なっており、治療には決まった指針が存在しないからだ。筆者は、精神科医が先を見通せない状況に耐える中でこそ、患者は自発的に自分の生きる道を見出すことができると考えている。
 筆者はこの仕事を、岸の見えない湖を二人で漕ぎ進むボートに喩えている。私もこの考えに深く同意する。精神科医の「待つ」という姿勢は、単なる消極的な態度ではなく、患者の主体性を尊重し、内に秘めた自己治癒力を最大限に引き出すための、精神科医の高度な専門性に基づいた積極的な医療行為であると考えられる。

問2-1【解説】

1. 設問の理解

 まず、設問「傍線部①『照明の移り変わり』について、オフィスの建物の特徴とともにまとめなさい。(120字以内)」の要求を正確に把握します。ポイントは以下の3点です。

何について:

  「照明の移り変わり」を説明する。

何と共に:

 「オフィスの建物の特徴」と関連付けて説明する。

文字数:

 120字以内。

求められている内容 

 つまり、「オフィスの建築様式がこのように変わったため、照明もこのように変わった」という因果関係や時代の流れを、時系列に沿って簡潔にまとめる必要があります。

2. 本文からの情報収集

 本文を読み、オフィスの「建物」と「照明」に関する記述を時代ごとに抜き出します。

初期(明治時代〜):

建物:

 煉瓦造のビル。その後、丸ビルのように大きな中庭を設けて自然光を取り入れる工夫をした横長のビル。

照明:

 石油ランプやガス灯。その後、照度の低い白熱電球。自然光が主体で、人工照明は補助的。

現代(戦後〜):

建物:

 高層化し、総ガラス張りになったビル。建物の中心部には昼光が届きにくい構造。

照明:

 昼間も常時点灯される、ぜいたくな蛍光灯の全般照明。人工照明が主体。

3. 解答の構成と要約

 収集した情報を、120字以内で論理的に繋ぎ合わせます。

構成:

  「初期のオフィスは〜だったが、現代のオフィスは〜となり、照明は〜に変わった」という対比構造でまとめると分かりやすくなります。

要約のポイント:

 下記のポイントを基に文章を作成し、文字数内に収まるように表現を調整します。

初期:

 「自然光を主とする工夫(中庭など)」と「補助的な照明(石油ランプ、白熱電球)」を組み合わせる。

現代:

  「高層化・総ガラス張り」という建物の特徴と、「昼光が届かない内部を照らすための常時点灯の蛍光灯」を組み合わせる。

全体の流れ:

 自然光中心から人工照明中心への移行を明確にする。

問2-1【解答】(115字)

初期のオフィスは煉瓦造や中庭の設置により自然光を主とし、石油ランプや暗い電球で補っていた。ところが、戦後にビルが高層化・総ガラス張りになると、昼光が届かない内部を常時点灯の蛍光灯で照らすようになり、人工照明が主役へと成り変わった。

問2-2【解説】

1. 設問の理解

 設問は「傍線部②『かえって明るい』という理由を説明しなさい。(百二十字以内)」です。これは、現代のオフィスビルが「なぜ夜の方が昼間よりもかえって明るく感じられることがあるのか」、その理由を本文から見つけて説明する問題です。

2. 本文から該当箇所の特定

 本文の11ページ後半から12ページにかけて、傍線部②の直後に「なぜか。」とあり、その理由が続く形で書かれています。この部分が解答の直接的な根拠となります。

3. 理由の分析と整理

 本文では、理由が2点挙げられています。

理由1:逆光の問題

昼は窓外が明るすぎるので、窓に対面すると逆光になり、窓際の人やものが黒く見えることが一つ。

 要するに、日中は外が明るすぎるため、窓の近くが逆光で影になり、暗い印象を与えるということです。

理由2:目の順応の問題

また、窓際から立って奥の廊下に出ると、眼の順応が間に合わず、暗く感じてしまうことがもう一つ。つまり、窓外が明るいことにより、眼の順応レベルが高くなり、窓以外のものが心理的に暗く見える。

 要するに、目は非常に明るい窓からの光に慣れてしまうため、それより暗い室内が、実際以上に暗く感じられてしまうということです。

夜間の状況

夜間はこういうことはおこらない。

 夜は、上記2つの「暗く感じる要因」が存在しません。外光がないため逆光にならず、目は室内の均一な照明に順応します。その結果、心理的に昼間より明るく感じられる、と筆者は説明しています。この要素も答案に加えます。

4. 解答の作成と文字数調整

 上記の3つの要素(理由1、理由2、夜間の状況)を、120字以内で簡潔にまとめます。

構成案:

 「昼間は①(逆光の問題)や②(目の順応の問題)が起きるため暗く感じる。しかし、夜間はこれらの影響がないため、かえって明るく感じられる。」という構成で文章を作成します。

調整:

 各要素を短い言葉で表現し直し、全体の文字数が120字以内に収まるように調整します。

問2-2【解答】(113字)

昼間は、窓外が明るすぎて逆光になり室内の物が見えにくくなることと、明るい外に眼が順応してしまい、室内が心理的に暗く感じられる。一方で、夜間はこのような影響がなく、均一な照明で照らされるため、かえって室内が明るく感じられるから。

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