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上智大学 総合人間科学部 心理学科 編入生試験 2021年 過去問解説

問1【解説】

 この種の問題に対応するためには、以下の4つのステップを踏むと効果的です。

用語の核心を特定する (Identify the Core Concept):

 まず、各用語が指し示す最も重要な概念やキーワードは何かを考えます。例えば、「刻印づけ」であれば「臨界期」「追従行動」、「メタ認知」であれば「認知についての認知」「客観視」などが核心となります。

関連する人物や理論を思い出す (Recall Key Figures/Theories):

 その用語を提唱した学者や、関連する主要な理論を思い出します。例えば、「刻印づけ」ならコンラート・ローレンツ、「コンピテンス」ならロバート・ホワイト、「転移神経症」なら精神分析のジークムント・フロイトが挙げられます。解答に含めることで、理解の深さを示すことができます。

具体的な例や対義語を考える (Consider Examples or Antonyms):

 抽象的な概念を分かりやすく説明するために、具体的な例を考えます。「メタ認知」であれば「自分の理解度を客観的に考えること」などです。また、「目標準拠評価」のように対義語(集団準拠評価)が存在する場合は、それと対比させることで定義がより明確になります。

簡潔に文章を構成し、文字数を調整する (Draft and Refine):

 上記の要素を組み合わせて、指定された文字数(150字前後)に収まるように文章を作成します。「〜とは、…なことである。」といった基本的な定義から始め、補足説明や具体例を加えて調整します。専門用語を使いつつも、平易な言葉で説明することを心がけます。

(1) 刻印づけ (imprinting)

 動物の生活史におけるごく初期の特定の時期(臨界期)に、特定の対象への愛着が形成される学習現象。コンラート・ローレンツによるハイイロガンの研究が有名で、孵化直後のヒナが動くものを親として刷り込まれ追従する行動が代表例。この学習は非可逆的で、後の経験で修正することが極めて困難である。

(2) コンピテンス (competence)

 心理学者のホワイトが提唱した、人間が自らの環境と効果的に関わろうとする根源的な動機づけ。外的な報酬がなくても、環境に働きかけ、課題を達成すること自体が満足感や有能感につながる。人間の自律性や自己成長を促す内発的動機づけの基盤となる概念であり、発達心理学などで重視される。

(3) メタ認知 (metacognition)

 自らの認知活動(知覚、記憶、思考など)を、より高い視点から客観的に把握し、制御する働きのこと。「自分が何を理解し、何を理解していないか」を認識したり、目標達成のために計画を立てて、うまくいかない場合に戦略を修正したりする能力が含まれる。効果的な学習や問題解決に不可欠な機能である。

(4) 大脳皮質 (cerebral cortex)

 大脳の表面を覆う厚さ数ミリの神経細胞の層(灰白質)。思考、言語、記憶、判断といった高次の精神機能を司る中枢であり、人間性の根幹をなす部位。機能的に前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に区分され、それぞれが運動、感覚、聴覚、視覚などの異なる役割を担っている。

(5) 知能 (intelligence)

 新しい状況に適応する能力、経験から学習する能力、抽象的な思考や推論を行う能力など、様々な知的活動を支える総合的な精神機能。単一の能力ではなく、言語能力や論理数学的能力、空間認識能力など、複数の因子から構成される複合的な概念として捉えられることが多い。

(6) 転移神経症 (transference neurosis)

 精神分析の治療過程で、患者が過去の重要な他者(特に両親)に対して抱いていた感情や欲求、葛藤を、無意識的に分析家に対して向け、再現する状態。この転移は分析の素材となり、分析家がそれを解釈することで、患者は自らの無意識的な問題について洞察を得るための重要な手がかりとなる。

(7) 全数調査 (complete survey)

 調査対象となる集団(母集団)のすべての構成員を残らず調査する方法。標本を抽出する標本調査とは異なり、標本誤差が生じないため、集団の特性を正確に把握できる。一方で、多大な時間、費用、労力を要するという欠点がある。日本の国勢調査が代表的な例である。

(8) パーセンタイル順位 (percentile rank)

 ある個人の得点が、特定の集団の中でどの位置にいるかを示す統計的指標。自分より低い得点をとった人が、集団全体の何パーセントを占めるかで表される。例えば、パーセンタイル順位が90であれば、その人は集団の上位10%に位置することを示し、集団内での相対的な位置を評価できる。

(9) 目標準拠評価 (criterion-referenced evaluation)

 あらかじめ設定された到達目標(基準)に、学習者がどの程度到達したかを評価する方法。他者との比較によって個人の位置を評価する「集団準拠評価」とは異なり、個人の絶対的な達成度を測る。個々の学習課題の習得度を明確にし、指導の改善に役立てることを目的とする。

問1【解答】

(1) 刻印づけ (imprinting)

 動物の生活史におけるごく初期の特定の時期(臨界期)に、特定の対象への愛着が形成される学習現象。コンラート・ローレンツによるハイイロガンの研究が有名で、孵化直後のヒナが動くものを親として刷り込まれ追従する行動が代表例。この学習は非可逆的で、後の経験で修正することが極めて困難である。

(2) コンピテンス (competence)

 心理学者のホワイトが提唱した、人間が自らの環境と効果的に関わろうとする根源的な動機づけ。外的な報酬がなくても、環境に働きかけ、課題を達成すること自体が満足感や有能感につながる。人間の自律性や自己成長を促す内発的動機づけの基盤となる概念であり、発達心理学などで重視される。

(3) メタ認知 (metacognition)

 自らの認知活動(知覚、記憶、思考など)を、より高い視点から客観的に把握し、制御する働きのこと。「自分が何を理解し、何を理解していないか」を認識したり、目標達成のために計画を立てて、うまくいかない場合に戦略を修正したりする能力が含まれる。効果的な学習や問題解決に不可欠な機能である。

(4) 大脳皮質 (cerebral cortex)

 大脳の表面を覆う厚さ数ミリの神経細胞の層(灰白質)。思考、言語、記憶、判断といった高次の精神機能を司る中枢であり、人間性の根幹をなす部位。機能的に前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に区分され、それぞれが運動、感覚、聴覚、視覚などの異なる役割を担っている。

(5) 知能 (intelligence)

 新しい状況に適応する能力、経験から学習する能力、抽象的な思考や推論を行う能力など、様々な知的活動を支える総合的な精神機能。単一の能力ではなく、言語能力や論理数学的能力、空間認識能力など、複数の因子から構成される複合的な概念として捉えられることが多い。

(6) 転移神経症 (transference neurosis)

 精神分析の治療過程で、患者が過去の重要な他者(特に両親)に対して抱いていた感情や欲求、葛藤を、無意識的に分析家に対して向け、再現する状態。この転移は分析の素材となり、分析家がそれを解釈することで、患者は自らの無意識的な問題について洞察を得るための重要な手がかりとなる。

(7) 全数調査 (complete survey)

 調査対象となる集団(母集団)のすべての構成員を残らず調査する方法。標本を抽出する標本調査とは異なり、標本誤差が生じないため、集団の特性を正確に把握できる。一方で、多大な時間、費用、労力を要するという欠点がある。日本の国勢調査が代表的な例である。

(8) パーセンタイル順位 (percentile rank)

 ある個人の得点が、特定の集団の中でどの位置にいるかを示す統計的指標。自分より低い得点をとった人が、集団全体の何パーセントを占めるかで表される。例えば、パーセンタイル順位が90であれば、その人は集団の上位10%に位置することを示し、集団内での相対的な位置を評価できる。

(9) 目標準拠評価 (criterion-referenced evaluation)

 あらかじめ設定された到達目標(基準)に、学習者がどの程度到達したかを評価する方法。他者との比較によって個人の位置を評価する「集団準拠評価」とは異なり、個人の絶対的な達成度を測る。個々の学習課題の習得度を明確にし、指導の改善に役立てることを目的とする。

問2【解説】

 問2のような応用的な設問に答えるためには、単なる知識の暗記だけでなく、それを整理し、論理的に説明する能力が求められます。

設問(1) 実験の解説問題:

目的・方法・結果・考察の整理:

 まず、それぞれの実験について「何を知るために (目的)」「どのような方法で (方法)」「何がわかったか (結果)」「どう解釈されたか (考察)」の4点を明確に整理します。

対比を意識する:

ギブソンとキャンポスの研究は、同じ「視覚的断崖」を使いながらも焦点が異なります。ギブソンは「生得的な奥行き知覚」、キャンポスは「社会的参照(他者の情動)」に焦点を当てています。この違いを明確にして記述することで、深い理解を示すことができます。

設問(2) 概念の比較問題:

定義の明確化:

まず「心理療法的援助」と「教育的援助」のそれぞれの定義と目的を明確にします。

比較の軸を設定する:

「目的」「焦点(アプローチの対象)」「具体的な方法」といった比較の軸を設定します。今回は「不登校の生徒」という具体例が示されているため、その文脈に沿って、例えば「心の安定を目指すのが前者、学習や社会復帰を目指すのが後者」というように対比させると分かりやすくなります。

設問(3) 長所・短所の列挙問題:

多角的な視点:

 オンライン調査のメリット・デメリットを、調査実施者側(コスト、時間、範囲など)と回答者側(匿名性、利便性など)の両方の視点から考えます。

具体性の担保:

 なぜそれが長所/短所なのかを簡潔に補足します。例えば、短所として単に「偏りがある」と書くのではなく、「インターネット利用者に限定されるため標本に偏りが生じやすい」と具体的に記述することで、説得力が増します。

問2【解答】

(1) 視覚的断崖(visual cliff)を用いた2つの実験について

① Gibson, E. J. & Walk, R. D. 1960 の実験

 乳児の奥行き知覚が生得的か否かを検証する目的で行われた。ガラス板の下に市松模様を置き、片方を浅く、もう片方を深く見せる「断崖」を作成。生後6ヶ月以降の乳児の多くは、母親が呼んでも断崖側へ渡ることを躊躇した。この結果から、人間はハイハイが可能になる時期には、経験によらず奥行きを識別する能力を持つと結論づけられた。

② Campos, J. B.の一連の研究

 乳児の奥行き知覚に、養育者の情動的コミュニケーションが与える影響を検証した。視覚的断崖の前に置かれた乳児に対し、母親が断崖の向こうから笑顔を見せると乳児は渡る傾向があったが、恐怖の表情を見せると渡ることを躊躇した。これは、乳児が曖昧な状況で自らの行動を決定する際に、他者の表情や声の調子を手がかりにする社会的参照の証左とされた。

(2) 心理療法的援助と教育的援助の違い

 不登校生徒への援助において、心理療法的援助は、生徒の内面にある不安、葛藤、無気力といった心理的な問題に焦点を当てる。カウンセリング等を通じて信頼関係を築き、生徒が自己を理解し、情緒的な安定を取り戻すことを主な目的とする。一方、教育的援助は、学習の遅れや生活リズムの乱れ、社会的スキルの不足といった外面的な課題に焦点を当てる。学習支援や進路指導等を通じ、具体的なスキルの習得を促し、学校復帰や社会的自立を目標とする。

(3) オンライン調査の長所と短所

 長所は、低コストかつ迅速に、地理的制約なく広範囲の対象者からデータを収集できる点である。回答の匿名性が確保しやすく、データ集計も自動化できるため効率的だ。
 短所は、回答者がインターネット利用者に限定されるため、高齢者などが除外されやすく標本に偏りが生じる点、回答率が低い傾向にある点、なりすましや不誠実な回答のリスクがある点だ。また、回答環境を統制できないことも問題となる。

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