問1【解説】
1. 設問の理解
まず、問1が何を求めているかを正確に把握します。この設問は、本文で筆者が「学校」をどのように「不自然」な場所として描写しているかを的確に抜き出し、要約する読解力と記述力を試すものです。
テーマ:
下線部1「学校という場は、『自然』と呼ぶにはほど遠い性格を持っている。」について。
要求:
「『自然』と呼ぶにはほど遠い性格」がどのような意味か説明すること。
条件:
- 本文を参考にすること。
- 200字以内で述べること。
2. 本文から該当箇所の抽出
次に、本文中から「学校の不自然さ」を説明している部分を探し出します。これらの要素が、筆者の主張する「『自然』と呼ぶにはほど遠い性格」の根拠となります。
強制性:
「児童たちは自分たちが必ずしも欲しなくても学校に行かねばならない」、「『顧客』の意志にたとえ反してでも、彼らを彼らのために設置された機関に送り込む」。
環境の不自然さ:
「満員電車内のような人数を一つの部屋に何時間もいさせること」。
権力構造:
「児童は学校中を見回しても、教師陣にせよ、事務職員にせよ、自分たちよりも力関係で弱い人間にはまず出会わない」。
比喩:
学校が「牢獄」にたとえられることがある点。
3. 解答の骨子作成と統合
抽出した要素を、200字以内で論理的に繋ぎ合わせ、解答の骨子を作成します。これらの要素を滑らかな文章にまとめ、指定された文字数に収まるように調整します。
- 前提: 我々は子供が学校に行くことを「自然」なことだと思いがちである。
- しかし(逆接): 実際は、子供本人の意志とは無関係に、学校へ行くことを強制されている。
- 具体的な環境: 学校では、満員電車のような過密な空間に長時間滞在させられる。
- 人間関係: そこでは、教師など常に自分より力関係が上の存在によって管理される。
- 結論: このような強制的・人工的な環境こそが、「自然」とはほど遠い性格の意味である。
問1【解答】(189字)
子供が学校に通うことは「自然」なことと見なされがちではあるが、実際は、本人の意志に関わらず通うことを強制される側面を持っている。そこでは、満員電車のような過密な空間に長時間とどめ置かれ、常に教師のような力関係で上位にある大人から監督・管理される。このように、子供の自由意志が尊重されず、人工的に作られた不自由な環境に置かれる点が、「自然」と呼ぶにはほど遠い性格を意味している。
問2【解説】
1. 設問の理解
まず、問2が何を求めているかを正確に把握します。
テーマ:
下線部2「この教師は、実は、自分が考えているよりもはるかに多くのことを児童に教えている。」について。
要求:
この文章がどのような意味か説明すること。
条件:
- これまでの自身の体験を具体例として挙げること。
- 「かくれたカリキュラム」の観点から説明すること。
- 500字以内で述べること。
- PREP法(結論 → 理由 → 具体例 → 結論)で構成すること。 この設問は、文章の読解に加え、自身の経験を抽象的な概念(かくれたカリキュラム)に結びつけて論理的に説明する能力を評価するものです。
2. 「かくれたカリキュラム」の概念整理
本文を参考に、「かくれたカリキュラム」が何を指すのかを明確にします。
公式のカリキュラム:
国語、数学など、学校が教えることを目標として公式に掲げている内容。
かくれたカリキュラム:
公式のカリキュラム以外に、人間関係や学校生活の慣習(給食、掃除、朝会など)を通じて、児童が自ずと学んでいく潜在的な価値観、行動様式、社会規範のこと。教師が意図しているか否かにかかわらず、伝えられてしまうメッセージです。
3. 自身の体験の洗い出しと選定
次に、「かくれたカリキュラム」を説明するのに最適な自身の体験を考えます。今回は、多くの人が経験しており、協調性や責任感を説明しやすい「掃除の時間」を具体例として選定します。
例1:
掃除の時間: 表向きは「清掃活動」だが、その中で「公共の場に対する責任感」「協調性」「勤勉さ」などを学ぶ。
例2:
給食の時間: 表向きは「昼食」だが、「準備や片付けの協同作業」「感謝の気持ち」「平等な配分」などを学ぶ。
例3:運動会の練習:
表向きは「競技の練習」だが、「集団行動における規律」「連帯感」「目標達成への努力」などを学ぶ。
4. PREP法に沿った構成案・文例の作成
選定した具体例をPREPの枠組みに当てはめて、解答の骨子を作成します。
P (Point: 結論):
教師は、公式な教科指導以外に、学校生活の指導を通して、児童の価値観や社会性といった「かくれたカリキュラム」を意図せず教えている、という意味。
R (Reason: 理由):
なぜなら、学校生活は掃除や給食といった特定の行動の繰り返しで満ちており、児童はそれを毎日体験する中で、その背景にある規範や価値観を無意識に学んでいくから。
E (Example: 具体例):
私の小学校時代の掃除の時間を挙げる。教師の指示は「担当場所を綺麗にすること」だったが、私たちは友達と協力し、黙々と作業する中で、「公共空間への責任」や「協調性」を言葉で教わることなく体得した。
P (Point: 結論の再提示):
したがって、教師は授業で知識を教えるだけでなく、日々の学校生活の運営そのものを通じて、児童の人間形成に大きな影響を与えているのである。
この骨子を元に、500字以内に収まるように文章を作成します。
【結論】
下線部が意味するのは、教師が国語や数学といった公式のカリキュラムだけでなく、学校生活での指導を通じて、その背後にある価値観や社会規範といった「かくれたカリキュラム」を、自らが意識している以上に児童に教えているということである。
【理由】
なぜなら、学校生活は給食や掃除といった、特定の行動パターンを毎日繰り返すことで構成されているからだ。児童は、その反復的な体験を通じて、教師が明示的に意図しなくても、特定の考え方や行動様式を自ずと内面化していくのである。
【具体例】
例えば、私の小学校では毎日、授業後に全員で校舎の掃除をする時間があった。担当教師の指示は「教室を綺麗にしよう」という単純なものだったが、私たちはその中で、自分の役割を黙々とこなす責任感や、友人たちと効率よく作業を進める協調性を言葉ではなく身体で学んだ。これはまさに、教師が意図した以上のことを私たちが学んでいた経験だった。
【結論の再提示】
このように、教師は公式な授業内容を教える存在であると同時に、学校生活の様々な場面の指導を通して、児童の人間性や社会性の基礎を形作るという、極めて大きな役割を担っているのである。
問2【解答】(481字)
下線部2の内容が意味するのは、教師が国語や数学といった公式のカリキュラムだけでなく、学校生活での指導を通じて、その背後にある価値観や社会規範といった「かくれたカリキュラム」を、自らが意識している以上に児童に教えているということである。
なぜなら、学校生活は給食や掃除といった、特定の行動パターンを毎日繰り返すことで構成されているからである。児童は、その反復的な体験を通じて、教師が明示的に意図しなくても、特定の考え方や行動様式を自ずと内面化していくのである。
例えば、私の小学校では毎日、授業後に全員で校舎の掃除をする時間があった。担当教師の指示は「教室を綺麗にしよう」という単純なものだったが、私たちはその中で、自分の役割を黙々とこなす責任感や、友人たちと効率よく作業を進める協調性を言葉ではなく身体で学んだ。これはまさに、教師が意図した以上のことを私たちが学んでいた経験だった。
このように、教師は公式な授業内容を教える存在であると同時に、学校生活の様々な場面の指導を通して、児童の人間性や社会性の基礎を形作るという、極めて大きな役割を担っているのである。



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