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【慶應SFC 小論文】慶應義塾大学 総合政策学部 2019年 小論文 過去問解説

問1【解説】

 設問(1)は、2011年のリスク予測が、2019年の時点(=資料2のデータが示す時点)で「成否を判断する根拠」となる図表を選ぶよう求めています。

1. 経済格差 → (E), (F), (I), (K)

リスクの定義:

 資料1は「国内および国家間の貧富の格差と所得格差」、「国内の経済格差は広がっている」と定義しています。

思考プロセス:

プロセス1.

 「所得格差」を直接示す指標を探します。

(F) 日本と主要国のジニ係数の推移:

 「ジニ係数」は所得格差を示す代表的な指標です。グラフから、アメリカやイギリスなどでジニ係数が上昇傾向にあることが読み取れ、資料1の「国内の経済格差は広がっている」という予測の成否を判断する直接的な根拠となります。

プロセス2.

 「貧富の格差」や「国家間の格差」を示す指標を探します。これは所得だけでなく、生活の質(QOL)や基本的なニーズ(食料、水など)へのアクセス格差も含みます。

(E) 栄養不足人口の地域別割合:

 栄養不足人口がアジア(64.4%)やアフリカ(29.3%)に偏在していることを示しており、「国家間の格差」が依然として大きいことの根拠となります。

(I) 安全な飲料水にアクセスできる人口割合:

 (E)と同様に、安全な水へのアクセスが困難な人口(40%未満など)がアフリカなどに集中していることを示しており、国家間の生活基盤の格差を示す根拠となります。

(K) 食料需給の偏り:

 (E)を地図で示したもので、「栄養不足人口の割合」が国によって大きく異なる(例:アフリカ諸国で「ひじょうに高い」)ことを視覚的に示し、「貧富の格差」の現状を判断する根拠となります。

2. グローバル・ガバナンスの破綻 → (D), (J)

リスクの定義:

 「脆弱または不適当な制度、機関、協定またはネットワーク」であり、その兆候として「ナショナリズムやポピュリズムの復活」、「社会的分裂」、「国家間で意見の相違が大きくなっている」ことが挙げられています。

思考プロセス:

プロセス1.

 ガバナンスの破綻(=統治の失敗、不安定化)がもたらす「結果」を示す図表を探します。

(D) 1日あたりの新たな難民・避難民発生数:

 難民や避難民の発生は、国内のガバナンス破綻(紛争、迫害)や、それに対処できない国際的枠組み(協定、機関)の脆弱性を示します。グラフは2011年頃から発生数が急増しており、リスクが顕在化している根拠となります。

プロセス2.

 ガバナンスの不安定さや「意見の相違」による「不確実性」を示す図表を探します。

(J) 世界株式市場と経済政策不確実指数:

 「経済政策不確実指数」は、政治的な混乱や国際協調の不足(=ガバナンスの課題)によって上昇します。グラフでは「ユーロ危機」「ギリシャ危機」「欧州難民危機」「ブレグジット」「トランプ選挙戦勝利」といった、まさにガバナンスの破綻や国家間の対立を示す事象で指数が急騰しており、リスクの成否を判断する根拠となります。

3. マクロ経済の不均衡 → (E), (I), (M)

リスクの定義:

 「新興経済諸国…と、先進諸国…の間の緊張関係」、「国内および国家間において貯蓄と貿易の不均衡」と定義されています。

思考プロセス:

プロセス1.

 マクロ経済全体のパフォーマンス(景気)における「不均衡」を示す図表を探します。

(M) 世界経済のGDPギャップ:

 GDPギャップはマクロ経済の安定性を示す指標です。グラフが「先進国」と「新興国・途上国」に分かれており、両者の動向の違い(不均衡)を直接比較できます。2011年以降、先進国の回復が遅れている様子など、両者の「緊張関係」の背景を判断する根拠となります。

プロセス2.

 「国家間の不均衡」を具体的に示す図表を探します。「経済格差」と重複しますが、マクロレベルでの国家間の不均衡を示すものとして、以下の図表も根拠となります。

(E) 栄養不足人口の地域別割合:

 栄養不足人口がアジア(64.4%)やアフリカ(29.3%)に偏在していることを示しており、「国家間の格差」が依然として大きいことの根拠となります。

(I) 安全な飲料水にアクセスできる人口割合:

 (E)と同様に、安全な水へのアクセスが困難な人口(40%未満など)がアフリカなどに集中していることを示しており、国家間の生活基盤の格差を示す根拠となります。

4. 不正経済 → (L)

リスクの定義:

 「不正取引、組織犯罪、不正行為を含むリスク」。

思考プロセス:

プロセス1.

 「不正」や「犯罪」に直接関連する図表を探します。

(L) 経済犯罪報告比率:

 「経済犯罪」という言葉がリスクと直結します。上の時系列グラフでは、「不正や経済犯罪の被害を受けた」組織の比率が2009年の30%から2018年の49%へと明確に上昇しており、2011年の予測が的中し、リスクが拡大していることを示す強力な根拠となります。

5. 水、食料、エネルギー → (B), (G), (P), (Q)

リスクの定義:

 人口増加による「資源に対して持続不可能なほどの圧力」、「資源不足」、およびこれらの「相互連関性」がリスクとされています。

思考プロセス:

プロセス1.

 「水」「食料」「エネルギー」の各資源の需給状況や偏在を示す図表を探します。

(B) 世界の水資源利用:

 「水」資源の量や「安全な水」へのアクセス状況を国別に示しており、地域による資源の不均衡(資源不足リスク)を判断する根拠となります。

(P) 世界のエネルギー自給率と一次エネルギーの輸出入:

 「エネルギー」の自給率と輸出入の偏在を示しています。日本や韓国、欧州諸国が輸入に大きく依存している状況は、「資源不足」リスクの根拠となります。

(Q) 石炭・原油・天然ガスの地域別の生産と消費:

 (P)と同様に「エネルギー」資源(石炭、原油、天然ガス)の生産と消費の地域的アンバランス(例:アジアの消費量)を示しており、需給圧力を判断する根拠となります。

プロセス2.

 3者の「相互連関性」を示す図表を探します。

(G) 水・食料・エネルギーの関連:

 リスクの定義で言及された「相互連関性」を、「食糧生産による水の大量消費」、「エネルギー生産による水の大量消費」などと図示しており、リスクの構造を理解する上での根拠となります。

6. サイバー・セキュリティ問題 → (A), (L), (T)

リスクの定義:

 「発生が拡大しているサイバー盗難」、「本格的サイバー戦争」など。

思考プロセス:

プロセス1.

 「サイバー」関連の犯罪や脅威の動向を示す図表を探します。

(A) サイバー犯罪に関する検挙件数の推移:

 「サイバー犯罪」の検挙件数がH20(2008年)からH29(2017年)にかけて増加傾向にあることを示し、「発生が拡大している」という予測の成否を判断する根拠となります。

(T) ウイルス届出件数の推移:

 「ウイルス」はサイバー・セキュリティの具体的な脅威です。届出件数は減少傾向ですが、「被害あり」の件数の動向なども含め、リスクの動向を判断する根拠となります。

プロセス2.

 「サイバー盗難」を含む、より広範な犯罪データを探します。

(L) 経済犯罪報告比率:

 「サイバー盗難」は「経済犯罪」の一形態です。したがって、(L)が示す経済犯罪の全体的な増加は、その主要な要因の一つであるサイバー犯罪の拡大を間接的に示していると判断でき、根拠となります。

7. 人口動態の課題 → (O), (R)

リスクの定義:

 「先進諸国に財政的な負担を与え、新興経済諸国の社会安定への重大な危険性を生み出す」課題。

思考プロセス:

プロセス1.

 「人口」の増減や構成の動向を示す図表を探します。

(R) 世界人口の地域別割合:

 ヨーロッパ(先進国)の人口が横ばい(10.6%→10.6%→9.7%)である一方、アフリカやアジア(新興国)の人口が急増している(=高齢化の進行→財政負担、社会安定への危険性)ことを示しており、リスクの定義と合致します。

プロセス2.

 「人口動態」には、出生・死亡による自然増減だけでなく、移動による社会増減(移民)も含まれます。

(O) OECD加盟国へのカテゴリー別永住移民流入数:

 OECD(主に先進諸国)への「移民」の動向を示しています。パネルAを見ると、「労働移民」の存在は先進国側の労働力不足(高齢化)を、「人道移民」の増加(パネルCの+6%, +13%)は新興国側での「社会安定への…危険性」(紛争など)を反映していると解釈でき、根拠となります。

8. 資源安全保障の問題 → なし

リスクの定義:

 「供給が需要に間に合わなくなった場合、…極端な変動と継続的な上昇をエネルギー価格と商品価格にもたらす」問題。

思考プロセス:

プロセス1.

リスクの核心は「エネルギー価格と商品価格」の変動・上昇です。

プロセス2.

 資料2の(A)~(T)をすべて確認します。(P)や(Q)は資源の「需給構造」は示していますが、「価格」の推移を示すグラフはありません。

プロセス3.

 したがって、このリスクの成否を判断する直接的な根拠となる図表は、資料2には存在しないと判断します。

9. グローバル化の抑制 → (H)

リスクの定義:

 「経済格差に対するポピュリスト的(一般大衆受けする)施策が取られることによって生じる」リスク。

思考プロセス:

プロセス1.

リスクの直接的な原因として挙げられている「ポピュリスト」に関連する図表を探します。

(H) 欧米とラテンアメリカのポピュリズムの比較:

 「ポピュリズム」の得票率(vote_share)の推移を直接示しています。特にヨーロッパにおける右派(Right wing)ポピュリズムの急激な台頭(2000年代以降)は、資料1の予測(反グローバリズム的な施策)が現実化する危険性が高まっていることを示す根拠となります。

10. 大量破壊兵器 → (C), (N)

リスクの定義:

 「…特に国家間の新たな核の拡散の可能性」。

思考プロセス:

プロセス1.

「大量破壊兵器」、特に「核」に関する図表を探します。

(C) 核弾頭保有数の推移:

 米ロおよび世界計の保有数が冷戦後に大幅に減少していることを示しつつも、依然として多数の核弾頭が存在する(リスクが継続している)ことを示す根拠となります。

(N) 世界の核弾頭保有状況(2018年):

 2018年時点での保有国リストを示しています。ここには米ロ英仏中の他に、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮が含まれています。特に北朝鮮が2006年に核実験を行っている事実は、資料1が懸念した「新たな核の拡散」が予測(2011年)の前後で現実化していることを示す根拠となります。

問1【答案】

10のリスク根拠となる図表
① 経済格差(E), (F), (I), (K)
② グローバル・ガバナンスの破綻(D), (J)
③ マクロ経済の不均衡(E), (I), (M)
④ 不正経済(L)
⑤ 水、食料、エネルギー(B), (G), (P), (Q)
⑥ サイバー・セキュリティ問題(A), (L), (T)
⑦ 人口動態の課題(O), (R)
⑧ 資源安全保障の問題なし
⑨ グローバル化の抑制(H)
⑩ 大量破壊兵器(C), (N)

問2【解説】

【結論】

 2011年時点の①「経済格差」に関するリスク予測は、8年が経過した現在、的中したと言える。

【理由】

 資料1で指摘された、グローバル化の恩恵が不平等に行き渡ることで生じる「国内の経済格差」と「国家間の経済格差」が、依然として深刻なままであることが資料2の複数のデータから読み取れるからだ。

【具体例】

 例えば、国内格差を示す図表(F)「ジニ係数の推移」を見ると、アメリカでは調査期間を通じて高い水準で推移しており、格差は固定化、あるいは拡大している。一方、国家間の格差は、図表(K)「食料需給の偏り」に顕著に表れている。サハラ以南のアフリカ諸国などでは栄養不足人口の割合が35%以上と非常に高いのに対し、先進国では5%未満と極めて低く、基本的な生活水準において国家間で大きな隔たりが存在することがわかる。

【結論】

 このように、国内・国家間双方における格差を示すデータは、経済格差が予測通り深刻なグローバルリスクであり続けていることを示しており、2011年の予測は正しかったと判断できる。

問2【答案】(398字)

 2011年時点の①「経済格差」に関するリスク予測は、8年が経過した2019年現在、的中したと言える。
 資料1で指摘された、グローバル化の恩恵の伝搬が不平等なことで生じる「国内の経済格差」と「国家間の経済格差」が、依然として深刻であることが資料2の複数のデータから読み取れるからだ。
 例えば、国内格差を示す図表Fを見ると、アメリカではジニ係数が調査期間中高水準で推移しており、格差は固定化、あるいは拡大している。一方、国家間の格差は、食糧需給の偏りを示した図表Kに顕著に表れている。例えば、サハラ以南のアフリカでは栄養不足人口の割合が35%以上と非常に高いのに対し、先進国では5%未満と極めて低く、国家間の大きな格差が見える。
 このように、国内・国家間双方での格差を示すデータは、経済格差が予測通り深刻なグローバルリスクであり続けていることを示しており、2011年の予測は正しかったと判断できる。

問3【解説】

リスクの選定 (Point):

 資料1の10のリスク(経済、ガバナンス、サイバー、人口動態など)と、設問で除外されている環境・自然災害以外のリスクを考えます。

 2019年当時、世界的に問題となっていた事象として「偽情報・誤情報の蔓延(フェイクニュース問題)」が挙げられます。これは資料1の10項目には直接含まれておらず、設問の条件に適しています。

リスクの理由と具体例の整理 (Reason & Example):

なぜリスクなのか?:

事実や科学的根拠に基づいた社会的な意思決定を困難にし、民主主義や社会の安定を脅かすからです。

具体的な事例は?:

SNSなどを通じて偽情報が拡散し、選挙の結果に影響を与える。
特定の集団に対する憎悪や偏見を煽り、社会の分断を深刻化させる。
公衆衛生(ワクチンなど)に関する誤情報が人々の生命を危険に晒す。

PREP法に沿った文章構成と要約 (Point):

結論 (P):

新たなリスクとして「偽情報や誤情報の蔓延」を提示する。

理由 (R):

それが社会の基盤である「事実への信頼」を破壊するからだと説明する。

具体例 (E):

選挙への影響や社会の分断といった具体例を挙げる。

結論の再提示 (P):

最終的に、それが民主主義社会の安定を揺るがす深刻なリスクであると締めくくる。

文例

【結論】

新たなリスクとして、SNSの普及に伴う偽情報や誤情報の蔓延が挙げられる。

【理由】

この問題は、社会の基盤である事実や専門的知見への信頼を破壊するからだ。

【具体例】

具体的には、特定の政治的意図を持つ偽ニュースが民主主義の根幹である選挙に影響を与えたり、人々の憎悪や対立を煽って社会の分断を深刻化させたりする事例が頻発している。

【結論の再提示】

このように、偽情報の蔓延は人々の合理的な判断を妨げ、社会全体の安定を内側から揺るがす深刻なリスクとなっている。

問3【答案】(198字)

 新たなリスクには、SNSの普及に伴う偽情報の蔓延が挙げられる。なぜなら、偽情報は基盤となる事実や専門的知見への信頼を破壊するからだ。
 具体的には、特定の政治的意図を持つ偽情報が民主主義の根幹である選挙に影響を与え、人々の憎悪や対立を煽って社会の分断を深刻化させる事例が頻発している。
 このように、偽情報の蔓延は人々の合理的な判断を妨げ、社会全体の安定を内側から揺るがす深刻なリスクとなっている。

問4【解説】

設問の分解

この問いは、大きく分けて以下の3つの要素に答えることを求めています。

理由:

資料3の図表が示す「北極海の最小海氷面積の推移」の理由。

多面的な影響:

その推移によって生じる様々な「変化」「リスク」「好機」。

形式:

上記を400字程度で論じる。

資料3の分析

図表の傾向:

 資料3のグラフは、1979年頃から2018年頃にかけて、北極海の夏の終わりの海氷面積(最小海氷面積)が、年による変動はあるものの、長期的に見て一貫して減少傾向にあることを示しています。

読み取れる事実:

 約40年間で、面積は700万㎢台から400万㎢台まで落ち込んでおり、3分の2から半分近くまで減少したことがわかります。

理由の考察

海氷面積が減少する直接的な原因は、気温の上昇です。その背景には、現代社会における最大の課題の一つである「地球温暖化」があります。これは一般常識として解答に含めるべき内容です。
さらに、温暖化を加速させる仕組みとして「アイス・アルベド・フィードバック」が挙げられます。これは、白い氷(太陽光をよく反射する)が溶けて黒い海面(太陽光をよく吸収する)が露出すると、さらに熱が吸収されて温暖化が進み、ますます氷が溶けるという悪循環のことです。このメカニズムに触れることで、解答に深みが出ます。

多面的な影響(リスク・好機)の洗い出し

海氷減少がもたらす影響を、「リスク(負の側面)」と「好機(正の側面)」に分けて多角的に考えます。

リスク (負の側面)

生態系:

ホッキョクグマやアザラシなど、海氷を生息域とする生物の絶滅危機。

地球環境:

ジェット気流の蛇行などを引き起こし、日本を含む中緯度地域に熱波や寒波などの異常気象をもたらす。また、温暖化がグリーンランドなどの陸氷の融解を加速させ、海水面の上昇につながる。

地政学・安全保障:

新たな航路や資源をめぐる国家間の利害対立や軍事的緊張の高まり。

社会:

北極圏の先住民族の伝統的な生活(狩猟など)の基盤が脅かされる。

好機 (正の側面)

経済(航路):

アジアとヨーロッパを結ぶ「北極海航路」が利用可能になり、スエズ運河経由に比べて航行距離と時間を大幅に短縮できる。これにより、輸送コストの削減が期待できる。

経済(資源):

これまで厚い氷の下にあった石油、天然ガス、鉱物といった海底資源の開発が容易になる。

構成と文章化

上記の要素を400字に収まるように、論理的な順序で構成します。

序盤 (理由):

 まずグラフの傾向を述べ、その原因が地球温暖化とアルベド・フィードバックにあることを説明する。

中盤 (リスクと好機):

 次に、リスク(生態系、異常気象)と好機(北極海航路、資源開発)を対比させながら具体的に記述する。

終盤 (まとめ):

 最後に、地政学的リスクや先住民族への影響にも触れ、この変化が単なる環境問題に留まらず、経済・社会・国際政治にまで及ぶ多面的なものであることを示して締めくくる。

問4【答案】(390字)

 資料3は、北極海の海氷面積が長期的に著しく減少していることを示している。これは地球温暖化が主な原因であり、太陽光を反射する白い氷が融解し、熱を吸収する黒い海面が広がることで、さらなる地球温暖化を招く悪循環に陥っているためだ。
 この変化は、ホッキョクグマなどに代表される北極海の海氷に依存していた生態系を破壊し、大気中のジェット気流の蛇行も誘発して世界中に異常気象をもたらすといった深刻なリスクを生みだそうとする。一方で、アジアと欧州間の輸送を効率化させる「北極海航路」の利用や、これまで海氷に閉ざされて開発が困難だった豊富な海底資源へのアクセスが可能になるという経済的な好機ももたらす。
 しかし、こうした航路や資源を巡る北極海での国家間の利害対立という新たな地政学的リスクも生じており、北極海での海氷の減少は地球環境のみならず、国際経済や安全保障にも多面的な影響を及ぼしている。

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