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上智大学 総合人間科学部 心理学科 外国人入試 2019年 過去問解説

問1-1【解説】

設問の確認:

 まず、問題一が何を求めているかを確認します。設問は「筆者がいう『共感』とは何か。定義を五〇字以内で簡潔に答えなさい。」です。したがって、文章中から筆者が採用している「共感」の定義を見つけ出し、50字以内に要約する必要があります。

本文中の該当箇所の探索:

 文章【一】を読み進め、「共感」の定義について直接言及している部分を探します。すると、2ページ目(ソース2)の中ほどに、以下の記述が見つかります。
それにあたってまず、「共感 (empathy)」という用語の意味を明確にしておかなければならない。[…] 私が本書で用いる共感の意味は、それらの定義のうちでももっとも典型的なものである。具体的に言えば「共感とは、他者が経験していると自分が考えるあり方で、自らが世界を経験するようになることである」というものだ。

定義の核心部分の特定:

 上記の箇所が筆者の定義そのものであることがわかります。さらに、同じ段落では、この共感が「あなたの苦しみが私にも苦しみを与えるという意味であれば、つまりあなたが感じていることを私も感じると いう意味」の「情動的共感」を指していることも補足されています。

要約と文字数調整:

 見つけ出した定義「他者が経験していると自分が考えるあり方で、自らが世界を経験するようになることである」を、50字以内という指定に合わせて簡潔にまとめます。核となる要素は「他者と同じように世界を経験する」「相手の感情を自分のものとして感じる」の2点です。これらを組み合わせて、自然な日本語の文章を作成します。

問1-1【解答】 (49字)

他者が経験していると自分が考えるあり方で、自らも世界を経験し、相手の感情を自分のように感じること。

問1-2【解説】

設問の確認:

 問題は「傍線部①『私は、世界をよりよい場所にしたい。共感に頼ることは、その目的にそぐわないと考えるようになった』のはなぜか。筆者の主張を二〇〇字以内で説明しなさい。」です。本文全体から、筆者が「共感」を問題視している理由を複数見つけ出し、それらを要約して200字以内で記述する必要があります。

本文中の根拠の探索:

 筆者が挙げる「共感」の問題点を本文から探し出します。主に以下の3つの大きな問題点が挙げられています。

公平性の欠如(焦点が狭く、先入観を反映する):

  • 共感は「スポットライト」のように焦点を狭い範囲に絞るため、身近な人や自分に似た人、魅力的に見える人などに偏って働きやすい。
  • この性質は先入観を反映し、道徳的判断を歪める。
  • 実験例として、特定の少女に共感すると、他の待機者を差し置いて不公平に優先してしまうことが挙げられています。

数的感覚の欠如(近視眼的で、統計に鈍感):

  • 共感は「近視眼的で数的感覚を欠いたもの」であり、統計的なデータや費用対効果に無感覚にさせる。
  • その結果、「大勢よりたった一人を重視する」という倒錯した道徳的論理につながる。
  • 例として、特定の銃乱射事件の犠牲者には過剰な同情が集まる一方、統計的により多くの子供が亡くなっている別の事例は無視されることが指摘されています。

長期的視点の欠如:

  • 共感は他者が感じている短期的な苦痛にとらわれやすいため、長期的な目標達成の妨げになることがある。
  • 例として、親が子の将来のために宿題や注射など一時的な苦痛を与えることは愛情や知性によるもので、共感はそれを妨げうると述べられています。

要約と構成:

 上記で探し出した3つの問題点(①不公平さ、②数的感覚の欠如、③長期的視点の欠如)を、指定された200字の文字数に収まるように、論理的に繋げて文章を構成します。それぞれの問題点を簡潔に表現し、それらが「世界をよりよい場所にする」という目的の達成を妨げる、という結論に繋がるようにまとめます。

問1-2【解答】 (197字)

筆者は、共感が世界をよりよい場所にする妨げになると考える。その理由は三つある。第一に、共感は焦点が狭く、身近な人や魅力的な人に偏るため、公平性を欠く。第二に、統計的思考に鈍感で、少数の個人に過剰に反応し多数を軽視する。第三に、短期的な苦痛を避けようとするため、長期的な利益を損なう恐れがある。したがって、共感に頼ることは理性的で公正な判断を阻み、よりよい社会の実現には不向きだと筆者は主張する。

問2-1【解説】

 この問題を解くためには、以下の3つのステップを踏むことが重要です。

問題の要求を正確に把握する

  • 傍線部①「口に入れて食べる前に、目で食べる」とはどういうことかを説明する。
  • 説明には、文中の例を必ず含める。
  • 解答は100字以内にまとめる。

本文から根拠となる部分を探す

 まず、「目で食べる」ことの定義を探します。傍線部の直前と直後から、「舌で味わう前に目で食べてみる」、「見た目が大切である」、「食べる前から、おいしいと思う」 といった記述が見つかります。これらから、「実際に味わう前に、見た目の印象で美味しさを判断すること」が核心であると分かります。

次に、その具体例を本文中から探します。

否定的な例:

 「姿がわるい」魚は、うまいと言われても売れない。「姿、恰好がよくない」ラ・フランスは、おいしくなさそうだと判断される。

肯定的な例:

 幕の内弁当は、いろいろな食材を「あれこれとりそろえてにぎやかにする」ことで「おいしそうになる」。

解答を構成し、推敲する

 ステップ2で抽出した「定義」と「具体例」を組み合わせ、100字以内になるように文章を作成します。この構成案に沿って文章を作成し、文字数が100字を超えないように調整して、最終的な解答を完成させます。

構成案:

  • まず「目で食べる」ことの定義を簡潔に述べる。(例:実際に味わう前に、見た目の印象で美味しさを判断すること。)
  • 次に、本文中の例を挙げて説明を補強する。(例:姿の悪い魚やラ・フランスは敬遠される一方、彩り豊かな幕の内弁当はおいしそうに感じる、など。)

問2-1【解答】 (100字)

実際に口にする前に、姿や形、彩り等の見た目の印象で美味しさを判断する事。姿の悪い魚や形の悪いラ・フランスが敬遠される一方、幕の内弁当はにぎやかな見た目でおいしそうに感じられる例が本文で挙げられている。

問2-2【解説】

この問題を解くためには、以下の3つのステップで進めます。

問題の要求を正確に把握する

  • 傍線部②「耳で考える」がどういうことかを説明する。
  • それに対する筆者の考えを明確に含める。
  • 全体を120字以内にまとめる。

本文から根拠となる部分を探す

 「耳で考える」は、筆者が提示する「目で考える」と対になる概念です。したがって、まず「目で考える」が何を指すかを理解する必要があります。

目で考える:

 読書のように文字を視覚的に理解すること。日本人が得意としてきたが、対話を軽視し、「思考で本質に迫ることができない」側面があるとされる。

次に、この対比から「耳で考える」の意味を推測します。

 本文の最終段落に「会話から哲学が生まれる」、「読書は重視するが、対話は認めない」、「音声が大きな役割を占めるようになった社会」といった記述があります。
 これらの記述から、「耳で考える」とは、音声によるコミュニケーション、特に対話を通じて思考を深め、物事の本質を探求する思考様式であると読み取れます。

最後に、それに対する筆者の考えを探します。

 「目で考える、だけで安心しているわけにはいかない」、「(『耳で考える』は)かならずしも劣ったものでない思考様式であるということを認められないほどまで頑なになってはいけない」と述べています。
 ここから、筆者は「耳で考える」ことを、日本人がこれまで軽視してきたが、これからの社会では重要になる、視覚的思考と同様に価値のある思考様式だと考えていることが分かります。

解答を構成し、推敲する

 ステップ2で抽出した要素(①「目で考える」との対比、②「耳で考える」の定義、③筆者の考え)を組み合わせて、120字以内で文章を作成します。

構成案:

 この構成案に沿って文章を練り上げ、文字数制限内に収まるように調整して解答を完成させます。

  • 「目で考える」ことと対比させながら、「耳で考える」が音声や対話による思考であることを説明する。
  • それは物事の本質に迫る思考様式であると加える。
  • 日本人がこれを軽視してきたが、筆者は重要なものだと考えている、という主張で締めくくる。

問2-2【解答】 (120字)

「耳で考える」とは、対話や会話など音声的コミュニケーションで思考を深め、物事の本質に迫る思考様式である。読書のような視覚的思考を重視するあまり、日本人がこの聴覚的思考を軽視してきたと筆者は指摘し、視覚的思考と並んで重んじるべきだと主張する。

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